2017年1月4日水曜日

第20回「音の抜き差しで曲を完成させよう」【KORG GADGET】

January 4, 2017
こんにちは、りざーどです。
今回もKORG Gadgetを使い方について説明します。

私も遂に重い腰を上げて曲としての完成についてを行います。
今まで色々なガジェットについての軽い説明と
コード進行やリズムについて説明を行ってきました。

最初からこのブログを読んで頂いた初心者の方も
ループでの曲というのは出来るようになったかと思います。
しかし、ループだけの曲というのはほとんど存在しません。

起承転結のような構成がある事でより曲としての完成度が上がります。

今回の作業はややしんどいですが、曲として完成させるためにも
是非マスターしましょう。
準備するもの
「8小節のいくつかのガジェットのループ」
曲を完成させるという強い意志
以上の2つですw

 〇曲の構成とは
 〇音の抜き差しのやり方
 〇Sceneをコピーしよう
 〇Sceneを使って抜き差しをしよう
 〇展開を作るポイント
 〇バランスの調整
 〇曲の最後は
 〇補足
 

曲の構成とは
もちろん曲を構成していくのもあなた自身です。

POPSとかでは、静かな上物から始まるものもありますし、
サビから始まる曲もあります。
クラブミュージック(テクノやハウス等)はドラムから始まり
音が徐々に増えていくというのが多いと思います。

自分自身が好きな曲を真似て同じような展開(構成)にしてみると
良いでしょう。何事もまずは模倣から。

また、以前説明をしたと思いますが、ループファイルも4小節、8小節、16小節の
どれかで作る事をお勧めします。4の倍数での展開がクラブミュージック等では
聴きやすい展開になっています。
まずは8小節のループを作るようにしてみましょう。
音の抜き差しのやり方
まず、あなたが作ったループを再生(ループ再生)してみて下さい。
ちなみにこれは、メイン画面で行ってみて下さい。

ドラム、ベース、シンセや上物等のパート(ガジェット)があると思います。

それでは、それぞれのガジェットにあるsoloというボタンをどれか押してみて下さい。
押したガジェットのsolo演奏になります。
(muteボタンは逆にその音を消した状態になります)

しばらくループをしながらsolo演奏を増やすようにしてみましょう。
最初にドラムのsolo演奏をしていたら、次にベースもsolo演奏にすると
ドラムの音にベースの音が追加されます。

このようにsoloを増やしていったり、逆にドラムを鳴らさなくしたりという行為を
「音の抜き差し」と言います。

ドラム→ドラム+ベース→ベース+上物→ドラム+ベース+上物

というような抜き差しをする事で曲らしくなります。
しかし、手動で同時に音のsoloをいくつか押したり、muteするのは完璧なタイミングでは
不可能です。
そこで次の項目に入ります。
Sceneをコピーしよう

最初に、何かの失敗があるといけないので

【重要】
左上のファイルメニューから「別名で保存」を選んで
「曲タイトル+編集版」のような名前を付けておくと良いでしょう。

メイン画面で、左上部にSceneという文字があります。

おそらく最初に作り出した段階では、
1という数字のSceneにあなたが打ち込んだガジェットが横に並んでいるはずです。

+を押す事で次のSceneを追加する事が出来ますが、
これは今回使用しません

メイン画面左下にあるFunctionを押しましょう。

それぞれのガジェットやガジェットの打ち込み画面、Scene1の上に
クリアやら削除やら物騒な文字が出てきますw

ここで、Scene1の部分の複製を押しましょう。

1copyという名前のものがScene1の下に追加されます。
これでScene1の複製が出来ました。

これと同じ作業を一気に15回程行ってみましょうw
作りすぎても問題ありません。あとで削除すれば良いです。

☆しかし、多く作るというのは実は重要で、展開をこの後作っていく時に、
 常に一番下には手を加えていない全部のパートが入ったものを置いておくことで
 やり直しの時に作業の手間を省く為です。
 (最初に別名保存をしたのも保険の意味もあります)
Sceneを使って抜き差しをしよう

先ほどの作業で同じループのSceneが16個くらい出来ました。

一番上のSceneから下に向かうように音が再生されていきます。

【注意】
メイン画面のループ再生ONの場合は同じSceneがループ再生されます

つまり、一番上から始まるので最初のSceneは音が少なくある方が良いという事です。

soloやmuteを使って、どの音から始めれば良いか試してみて下さい。

では、最初に使う音は決まったでしょうか?
いくつかのガジェットから始まるというのももちろんOKです。

ただ、いきなり音が多いと減らしていくのに困りますw

減らす音が決まったら、
Functionを押します。

次に減らす音の部分のクリアを押します。

OK?と出るので、消すのであればもう一度押してください。
(違うのを消しかけてOK?と出た場合はFunctionを押せば画面はキャンセル出来ます)

【注意】
メイン画面ではundo(作業取り消し)が出来ません。
メイン画面のループ再生をしながらsoloやmuteを
押している部分を確認しつつ
クリアを決定していくようにすると良いでしょう。

ここの作業は私も緊張しますw

次のSceneは最初のシーンから音を追加する部分を残し、まだ出さない音のガジェットを
同じようにクリアにしていきます。

一番上のSceneの再生ボタン(三角)を押すとScene1から下に向かって再生されていきます
※ループ再生はオフにしておきましょう

これでScene1、Scene2と再生され音が追加されるのを聴きながら確認出来ると思います。
この作業を繰り返す事で音の追加と削除(抜き差し)が出来ます。
曲の後半では最初と逆のように音が徐々に減っていくようにすると良いでしょう。
展開を作るポイント

ある程度音が増えた時(一番聴かせたい音が入った時)に
ドラムをmuteにするSceneを作ると良いでしょう。

抜き差しのポイントとして大きいのは全部の音をガラっと変えすぎない事です。

どの音を残して、どの音を消すか(もしくは追加するか)

「一気に減りすぎた!」という時はSceneの削除をして、
また一番下にSceneの複製をすると良いでしょう。

ここは試行錯誤をどうしてもしなくてはいけない部分です。
バランスの調整

音が多く鳴る時と少ない時で聴こえ方も変わります。

最初は全部のパートを再生しながらループで聴いていたはずですが、
抜き差しをする事で、音が多い時に「うるさいな」と感じる事もあります。

そこで、メイン画面の各ガジェットの縦フェーダーで音のバランスを調整してみて下さい。
せっかく作ったものだから、誰かに聴いてもらいたいと思うでしょうし、
自分でも何度も聴くはずです。聴きやすい調整を行いましょう。
曲の最後は

【小技】
    空白のSceneを2つか3つ作りましょう。
    最後のシーンにLondonで使用していない音
    を配置。London内のMixer画面で
    使用していない音をゼロにして音を出ないようにします。
    これで、曲が終わった後のリバーブの余韻等を残した状態で曲になります。
    ちなみにこれをやらないと曲が音によっては急に途切れるように終わります。

後は、抜き差しだけで物足りない部分(ドラム)とかをさらに部分的に追加するのも良いでしょう。
以前書いたかもしれませんが、ドラムでの展開(後でハイハットが増える等)も
London複数起動でハイハットだけ分けるように予め作ると修正等の手間は省けます
(クリアの作業は増えますが。。)
    
補足

8小節のループを用意するように冒頭で書きましたが、
KORG Gadgetの使用ではSceneの中で使用しているガジェットの一番長い小節が終了するまで、
他のガジェットはループされます。

 例:4小節ループや2小節ループと8小節ループがある状態だと、
   8小節ループが終わるまで次のSceneに進みません。
ややこの癖に慣れるまでは全部のガジェットの小節を同じ小節数にしておく方が分かりやすいでしょう。

さて、今回の内容はなかなかにしんどい作業だと思います。
しかし、Sceneを再生しながら徐々に曲の完成に近づくのを味わいつつ
吟味しながら完成まで頑張ってみましょう。

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お待ちしております。
@sound_mobile

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