2018年11月29日木曜日

第112回「DJが使いやすい曲の構成を考える」

こんにちは、りざーどです。
今回は、曲の分析をしていこうという内容です。
曲作りをしていく上で特定のジャンルでの決まった部分等を知っている事でより曲が作りやすくなります。
今回一例として紹介するのは、クラブミュージックとしてDJが使いやすいのは?という部分です。
クラブミュージックといってもジャンルは勿論多くあり、それぞれ違う点も多いものです。ハウスやテクノ等は曲の始まりと終わりはドラムのみで繋げやすいようになっていますが、ヒップホップ等は速さやら構成やら多岐に渡っておりテンプレを明確にするのは難しいかな?と思います。
そんなわけで私が説明しやすいという理由からハッピーハードコアにしますw

ハッピーハードコアの特徴として
BPM170前後、ピアノブレイク、女性ボーカル等が多く含まれています。
勿論ハッピーハードコアでも色々なスタイルや曲調がありノンビートで始まる曲も結構あります。
ただ、今回はDJが使いやすいというテンプレを作るという方向でいくので、ベタな部分で分析と構成をしていきます。

参考にしたのは
LOVE DECADEのSO REAL(B and S remix)です。
この曲が超かっこいい!

8小節 ドラムンぽいリズム
8小節 ドラムンにハット追加
16小節 昔のハードコアテクノらしいシンセブレイク追加
    後半ドラムロール
16小節 ベースと4つ打ちドラム追加
    (8小節後から裏打ちハイハット追加)
16小節 ボイスサンプルのループ追加
    (後半ドラムロールでラストにボイス残しで抜き)
8小節 ピアノブレイク
24小節 サビ1

とここまでが、前半部分といった感じです。
基本16小節毎に大きな展開があります。
冒頭から16小節過ぎた所でまずシンセブレイクがあります。

さらに16小節過ぎるとドラムもしっかりと入って来るので、ここでDJとしては曲を変えるポイントになっていますが、その前の16小節でも切替えやすいようになっています。
(ショートミックス用に便利な構成ですね)
さらにロングミックスで曲の完全切替えをピアノブレイクで持ってくるように32小節じわじわとミックスする事も可能になっています。
冒頭から数えると64小節目でピアノブレイク、完全切替えという感じです

この形をテンプレにしておくとハッピーハードコアのDJミックスをする時に使いやすいものが作れますし、ミックスに適した展開になります。
このような形を明確化する事でコルガジェで作っていく時にsceneの把握がより行いやすくなります。GarageBandの場合もループさせたトラックの分割等が行いやすくなります。
あと、経験上ハッピーハードコアを作る時に一番苦労するのが、実は冒頭だったりしますw
ここにいかに力を入れるかが難しいけど、繋ぐ時により良い曲になるようなブレイクビーツであったりボイスサンプルであったりカットインで遊べるようにしていくのが頑張りどころですw

先程のSO REALのリミックスですが、今回紹介した後の部分も
トランスシンセによるブレイク(上げ所)からドラムが入り、
そのあと最初にあったハードコアシンセブレイク、ピアノブレイクと
少しづつ一緒に流れる音(ドラム等)は違うがもう一度繰り返すようになっています。
ただ、この曲も後半では16小節毎の展開を破る部分が1ヵ所あります。
たしか2小節だったかな?トランス要素のある曲とかで多いような気がしますが、ドラムとか上とか全部鳴る盛り上がり部分の前に1小節とかの抜き部分を作っている曲がたまにあります。
DJをやる人はしっかりと曲を覚えておかないと、次の曲のリリースポイントがずれてしまう事があるので注意が必要ですw
作り慣れていない時は素直に16小節進行で曲を作ると良いでしょう。

いかがだったでしょうか?
今回はハッピーハードコアという狭いジャンルで分析を行いましたが、なんとなく「あー徐々に音が増えていくんでしょ?」くらいの感覚で作るよりは、
【どの音を追加するか?】がはっきりとしたと思います。
自分の好きな曲がどのような展開をしているのか?この辺りを分析し知る事で
より作りやすくなると思います。是非役立ててみて下さい。

2018年11月24日土曜日

第111回「遅い曲のリズム作り」【KORG Gadget】

こんにちは、りざーどです。
みなさんは遅い曲を作るのはどうでしょうか?
私は苦手ですw
今回はその辺りを書いていきます。
遅いといっても人それぞれではありますが、HIPHOPとかは結構ゆったりとしていて作るのが難しいと感じています。

では、何故遅い曲は難しいのか?
これにはそれぞれの音が出ている時間というのがあると思います。
リバーブやディレイが無い状態だとそれぞれのドラムの音の隙間で無音の部分が生まれスカスカの印象が強くなるというのが問題点として出て来ます。
では、どうすれば良いのか?

以前記事にもした部分ですが、ドラムにディレイを作るというのがあります。
エフェクトの設定等が分かりにくい場合には別トラックとして同じドラムガジェットの音をミキサー部分で小さくして元のドラムの配置した次の場所に配置するというものです。
(1に元がある場合、2に小さいドラムを配置する。1小節16分割で言うと)
これをする事でディレイ感を出す事が出来ます。

後は【ハット】の配置でしょうか。
隙間になりそうな部分にハットを入れたり、リバースのハットを入れたりして多少の隙間を埋めるのも良いと思います。

さらには、これも以前記事にしたドラム打ち込みの一部分をクオンタイズなしにして入れるというやつですね。私はド頭の1のキック、5と12のスネアはそのまま入力し、間の部分を最近はクオンタイズを切ってリアルタイム録音で微妙な場所に配置するようにしています。主にキックのみですが。
この辺りとグルーブ感を出す為に少しづつベロシティを変えるのも良いみたいです。
生音感を出すというやつですね。
多分スカスカになりすぎるというのは、きっちりと決められた(クオンタイズ)譜面で打ち込むというのがよりスカスカな感じになるというのがあると思います。

ただ、結局のところは
【遅いトラックはドラム音色が命】
これにつきるので、試行錯誤をしていくしかありません。気に入った遅い曲のドラム音色に近いものを選んだり、多少つまみをいじったりして近い音にする。
これをしていく事で徐々に音作りがどういう事が分かってくる部分もあるはずです。

あと、初心者の方に良いアドバイスとして
【倍の速さのドラムを作る】というのもw
「遅くないじゃん。本末転倒じゃん!」となりますが、これも結構有効です。
例えばFATBOY SLIMのweapon of choiceという曲だったらBPM98と遅めの曲なんですが、倍のリズムの速さという感じでノリの良さが出やすくなっています。
BPM85から90あたりだったらドラムンベースにしてしまうのも良いでしょう。
ドラムが倍でも上がゆったりしていたら多少忙しなさはなくなるので。

リズムを全て埋めてしまわなくても、ベースであったりサンプリングしたフレーズであったり常に音が鳴るようなものがあれば違和感は多少減りますし、小節始めや小節終わり(12スネア)で他の音をミュートさせて一瞬の空白を作るのも曲全体の中でメリハリを作るという点でヒップホップとかには良い感じになります。