2018年4月1日日曜日

第100回「コルガジェVancouverで色々やってみよう」【KORG Gadget】

こんにちは、りざーどです。
今回はKORG GadgetのVancouverについて少し触れていきます。
Vancouver(バンクーバー)はインポートした音に音階をつけて鳴らす事が出来るサンプラーガジェットです。
しかし、いざ使おうとなるとどういった音を取り込もうか悩む方も多いでしょうw
先日試して良さそうだったものがいくつかあるので是非参考にしてみて下さい。

○オーケストラヒットを取り込んでみる。
オーケストラヒットという音をご存じでしょうか?オケヒと呼ばれたりもします。
ジャン!っていう音でジュリアナテクノ等がイメージしやすいかもしれませんw
音としてはオーケストラ音色(ブラス、ストリングス等)を同時に一斉に鳴らしたものです。
ちなみにこの音はコルガジェにも入っています。
【Amsterdam】に【Orch Hits】というキット名で存在していますね。
アムステルダムだと4種類あるのですが、Tuneで多少はいじれるものの1ガジェットで鳴らせるのは4種類なので限界があります。

そこで、Amsterdamを起動してOrch Hitsを選択。
気に入った音を1小節目の一番最初に貼りつけてみましょう。

再生すると「ジャン」って音が鳴ります。
次にメイン画面に戻り、【エクスポート】を選択。
今回はDropboxを選んでみます。
するとDropboxに先程のオーケストラヒットを鳴らした音がアップロードされます。

次にVancouverを起動。
鍵盤の上、中央部分にある文字表示をタッチして【Vancouver Init】
を選びます(新たな音の取り込みにはこの方が良さそうなので。。)

続いて、中央波形画面の左上にある文字表示をタッチします。
すると、ファクトリー、ユーザー、インポートの選択画面が出るので
【インポート】を選択しDropboxを選択。

先程アップロードしたオーケストラヒットの音を選択。
(Amsterdamを使用したプロジェクトファイル名は【オーケストラヒット】等にしてると分かりやすいです)

これでVancouverに取り込む事が出来ます。
次に鍵盤上中央の文字表示の部分から【ユーザー】をタッチして【Save】を選ぶ事で
今後、この部分から取り込んだ音ネタを使用する事が出来ます。
鍵盤を弾くと音階が変わりますね。これでジュリアナ系テクノを作るのも
楽になりますw

○オーケストラヒット(その2)
先程Amsterdamに入っているオケヒを使用しましたが、
もう1つの方法はオーケストラヒット自体を自分で作るという方法です。
音としてはオーケストラ系楽器音色を複数使用しているので、
Moduleからの追加音源「KApro-Orchestral Dreams」を私は使用してみました。
Marseilleでもストリングス音源はありますが、リアルな音が良い!という方は導入してみるのも良いでしょう。
ポイントは
 アタックタイムを一番早くする(押したらすぐに音が立ち上がるようにする)
 C3、C4、C5等同じ音で重ねる
 複数起動し色んな楽器の音を同時になるようにする
この辺りです。自分の気に入った音色のみのチョイスでも良いでしょうし、
低音系がいらない場合はC3等を楽器別に削ったりするのも良いかもしれません。
そして出来た1小節のオーケストラヒットを先程同様
【エクスポート】【Dropbox】【Vancouver起動】【取り込み】【Save】
という流れで自分の作ったオーケストラヒットを鳴らす事が可能です。
ちなみにAmsterdamのオケヒと自分で選んだ楽器の音を重ねてエクスポートするというのもアリですw

さて、ここまでで分かってきたでしょうか?
オーケストラヒットは自分で作る事もできるけど、複数起動やら音階を変えるとか面倒くさい手間が多いのですw
そこでVancouverに読み込ませる事で1ガジェットで音階も使用出来るようになるわけです。
ちなみに【Vancouverでscaleからchordオンにするとより派手になります】

そしてここまでの内容だと、【色々やってみよう】ではなくて
【オケヒを作ろう】ですねw

次のステップに進んでみましょうw

〇笙を作ろうw
笙という楽器をご存じでしょうか?雅楽等で使われる(神社とかの音楽ね)
「フワァ~」という音色のものです。
あまり知られていない楽器ですが、音を聴けば「あ、これか」という奴ですw
個人的に欲しい音源だったので色々と調べていたのですが、楽器の特性として
ハーモニカやパイプオルガン等が近いという事がネットに載ってました。
今回の参考にさせていただいたページとして
こちらを確認するとより細かい部分も分かると思います。
ハーモニカ等のような楽器で複数の音が同時になる楽器である、と。
複数の音が同時になるという事は。。。そうVancouverを使えば楽になりますねw

ハーモニカとパイプオルガンの音ですが、私はDarwinから用意しました。
ポイントとしては
 アタックタイムを遅くして音の立ち上がりをゆっくりにする
 音の終わりもフェードになるようにする
 A4、E5、A5、B5、E6、F#6
等、先程のサイトを参考に音を長く伸ばす(2小節はあっても良いでしょう)

そして出来たものを【笙】というプロジェクトファイル名で【エクスポート】
※紹介したサイトで複数のパターンがあったので、それぞれ作って【笙2】等にしていくのも良いでしょう
Vancouverでオケヒのやり方と同じように取り込んでみましょう。
これで笙のような音色のものが出来ます。
多分本来鳴らない音も出るようになってると思うのですが、そこは聴いて気持ち良ければオーケーということでw

あと、笙は音の立ち上がりを遅くしているので、メロディーを変える時に早めの場所に音を貼る方が良いかもしれません。
Vancouverの特性上音が重なりにくい(重ならない?)ようなので
笙のような楽器を使う場合はVancouverを2つ起動して交互に音を鳴らすようにすると良いかもしれません。

Vancouverは使い手の発想次第で色々な武器になる可能性があります。
今回のを参考に色々と実験してみてください。